最近少し色々あって不調(回復気味)な小山です。
普段はもっぱらYouTubeでのVlog投稿ですが、今日は久しぶりの文章を書いてみようと思います。
ヨーロッパで『暮らす』と言うこと
チームはブエルタエスパーニャを走っていますが、それと同時に日本代表チームがツールドラブニールを走っていますね。
両レースともに、自分が出ることが叶わなかったいわば憧れのレースです。
出場している全ての選手に尊敬の念とエールを送りたいと思います。
さて、日本の自転車界の今の現状として、ヨーロッパのレースに参戦はできているものの、中長期的にヨーロッパで活動することができていない印象を受けます。
今回はその理由を、実際に今ヨーロッパのチームに所属し、ヨーロッパで暮らしている選手目線で考察してみたいと思います。
タイトルを『ヨーロッパで走ると言うこと』ではなく、『ヨーロッパで暮らすと言うこと』にした理由としては、後ほど触れますが、『走ること』以前に、『暮らすこと』が難しい場合が多いと感じるからです。
トレーニングやレース以前の問題で、課題になりそうなことを以下に書いていこうと思います。
まず、遠い
まず最初に、当たり前ですがヨーロッパは日本から遠いです。
つまり、飛行機代など、ヨーロッパに辿り着くためだけのコストが高くなります。
20年前の1€100円前後時代に遠征していた諸先輩方が指導者になっている今の日本において、過去の記憶と、実際のところがズレてきていると感じることがたまにあります。
だいたい往復で20-25万円くらいの費用が必要です。
言葉の壁
最低限の英語が話せなければ詰みます。
フランス語かスペイン語がネイティブで話せるなどの特殊な場合を覗き、最低限の英語がなければ暮らしていくのは難しいと感じます。
言葉が理由でコミュニティに溶け込むことができない場合、大きなストレスとしてのしかかってくると思います。
日本人と固まって生活することによって、一時的に回避できそうに思えますが、長期的には遅かれ早かれ問題になってくると思います。
ビザの問題
日本のパスポートは、先人たちのおかげで強力で、特別なビザを持たずしても90日間ヨーロッパに滞在することができます。
しかし、それでも90日間です。3ヶ月
一月のトレーニングキャンプから始まり、10月のレースまでを考えると、必要な日数の3分の1程度です。
アマチュアチームでチームからビザの手助けがなくて困っている若い選手がもし読んでいたら、ぜひ連絡ください。
ビザの取り方を伝授します。
有料で代行すると謳っている行者がありますが、基本的には簡単なのと、本来ビザの取得代行は推奨されていないので、一度連絡ください。
お金が想像以上にかかる
先ほどの航空券代もそうですが、費用面は大きな問題だと思います。
住む場所にもよりますが、家賃は最低でも10万円くらいはするでしょうし、毎日質の良い食事をすると食費も安くはないと思います。
そのほかにも車が必要な場合はレンタカー代、アマチュアチームやコンチネンタルチームの場合、レースへの移動費やエントリー費が自腹の場合は、それらもプラスされます。
言い出したらキリがないですが、選手として必要なことを取り入れていくと、必然的に費用が高くなります。
HouseはあるけどHomeはない状態
英語のHomeとHouseの違いといえば伝わるでしょうか。
一人暮らしをしている場合は、家に帰ると誰もいません。
一人暮らしなので当然ですが、やはり外国でする一人暮らしと、日本でする一人暮らしでは感覚が異なります。(共に経験あり)
人にもよりますが、多くの場合は、どこか孤独感を感じて日々を過ごすことになると思います。
生活するための場所はあるけど、そこは自分の国で言う『家』ではないと言うことです。
ここまでざっと書いていきて、大前提として小山はホームシックとか感じるタイプではないです。
日本にいれば日本で良いし、ヨーロッパにいればヨーロッパで良い、基本的にどこでもOKなタイプな小山から見てもこう感じるので、ホームシックとか感じるタイプの若者には更に厳しく感じていると思います。
解決策はあるのか
簡単にいえば『強くなること』です。
しかしこれは、『1+1=2です。』と言っているようなもので、誰にでも言えることです。
『強くなるしかないんだよ』と言われることは多いと思いますが、それは我々選手が一番理解していますし、当たり前のことです。
当然のことだと思っていますが、波風立てないために一応個人的に見解としますが
たまにヨーロッパにきてレースするだけでは厳しい
というのが実際のところだと思います。
『ヨーロッパのレースを走ることが厳しい』というより、ヨーロッパでプロ選手になるには、ヨーロッパで生活する必要があるからです。(特に日本は遠すぎるので)
では、どうするべきなのか
選手がヨーロッパで強くなっていく過程を支えていける仕組みを日本に作ることだと思います。
国内のレースでどんなに走れても、何年JProTourを走っていても、FTPがどんなに高くても、ヨーロッパで生活できなければヨーロッパでプロにはなれません。
練習環境的にも、資金的にも、精神的にも、20歳前後の若者がヨーロッパで継続的にチャレンジしていくためには、1人では非常に厳しいと思います。
そんなことを言わずに数打てば当たる!弱いやつが悪い!的な精神論を掲げてやってきた10年間が今の結果だと思います。
競技のパフォーマンス以前に、ヨーロッパで安定して『生活していくこと』が、一番重要なことだと感じています。
以上、個人的な見解でした。
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